
株式会社カカクコム
30代ミドル層の誘導数200%増!「価格.com」を運営するカカクコムのSmartNews Ads「グループデータ活用」戦略
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様々な商品・サービスを比較できるサイトとして圧倒的な地位を築く購買支援サイト「価格.com」を運営するカカクコム。同社は保有する豊富なユーザーデータを外部メディアと連携させた運用型広告事業を展開しており、さらなる発展のためにSmartNews Adsの導入に踏み切りました。
運用開始から継続的に効果を実感し、現在では誘導数が前年同期比で200%以上増加という大幅な成果を達成。SNS広告と比較してCPCを46%程度安価に獲得でき、CTRも0.6pt向上するなど、複数の指標で優れた結果を示しています。
特にブランド訴求を重要視する自動車関連や家電を取り扱うお客様から好感触をいただき、広告売上において主力媒体の1つとなりました。 データドリブンな広告配信でクライアントの売上向上を支援する、同社の広告担当者の勝又氏と加藤氏に、その成功の秘密を聞きます。

従来手法では届かない層が課題。SNS受け流し対策で「能動的情報収集ユーザー」を狙う
ーーまず、御社の事業について教えてください。
勝又氏:カカクコムでは購買支援サイト「価格.com」をはじめ、レストラン検索・予約サービス「食べログ」や旅行のクチコミと比較サイト「フォートラベル」など、幅広いメディアアセットを保有しています。
そのなかでも私たちの部署では、それぞれのサイトを利用するユーザーの行動データを活用した広告配信事業を手がけています。
具体的には、価格.comで冷蔵庫を比較検討している人に、その企業の冷蔵庫広告やタイアップ記事を外部配信するといったデータ活用型の広告事業を行ってきました。

ーー広告事業において、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?
勝又氏:私たちはSNS広告なども積極的に取り扱っているのですが、より幅広い層にアプローチしたいというクライアントからのご要望が多く、新たな接触機会の創出が課題でした。
特に30代以上のライフスタイルが変化する層へのアプローチにおいて、従来の広告手法とは異なる新たなアプローチを模索していました。SNS広告では受動的に流れてくる情報を「受け流される」リスクが高い。
私たちが求めていたのは、能動的に情報を取りに来ているユーザーへのアプローチでした。
ミドル世代の能動的情報収集に注目。記事系ナンバーワンの希少性で選定
ーーそうした課題解決の選択肢として、なぜSmartNews Adsを選ばれたのでしょうか?
勝又氏:選定理由は大きく3つあります。
1つ目は、ユーザーの情報収集姿勢です。SNS広告では受動的に流れてくる情報は受け流されがちですが、SmartNews Adsのユーザーは自分から能動的に情報を取りに来ているという構造ができています。
そんなユーザー層は私たちが求める顧客層の行動パターンに非常に近く、既存の広告手法とは異なる理想的な接触機会だと感じました。
2つ目は、ターゲット属性の親和性です。私たちのメインターゲットであるミドル世代がSmartNews Adsでもメインユーザー層となっており、デモグラフィック面での親和性の高さを感じました。
3つ目は、記事系ニュースアプリとしての希少性です。SmartNews Adsは記事系媒体として非常に注目されているメディアで、アプリユーザー数も多い。なかなかこういった記事系ニュースアプリで運用型広告を出せるところは限られているので、それだけでも大きな魅力でした。
ーーご自身のユーザー体験からも確信を得られたということでしょうか?
勝又氏:はい。私自身もSmartNewsユーザーで、実際に使っていると通勤時間や休憩時間に情報収集する際の集中度が他のSNSとは明らかに違うと肌で感じていました。
そこから「情報を得よう」という明確な意図を持って利用しているので、広告への関心度も高いのではないかという仮説を持つようになったんです。
実際、SmartNewsは通勤途中のサラリーマンの方がよく見られているメディアですし、私たちのターゲット層とユーザー属性が非常に近い。
さまざまなSNSや注目されているアプリがあるなかで、繰り返しになりますが記事系ニュースアプリで運用型広告を出せるメディアは本当に限られています。
記事系媒体としてもナンバーワンのポジションにあるSmartNewsに、私たちのデータを活用した広告を出せるというのは、シンプルに魅力的だと感じていました。
誘導数200%増の圧倒的成果。SNS比CPC46%削減で自動車・家電クライアントが高評価
ーー実際に運用されて、期待通りの効果は得られましたか?
勝又氏:全体を通して非常に手応えを感じています。誘導数が前年同期比で200%以上増加という成果が出ており、営業担当からも単価改善率の高さを非常に評価いただいています。
SNS広告と比較して46%程度CPCを安価に獲得でき、CTRも0.6ptほど高く獲得できているため、弊社としても嬉しい限りです。

加藤氏:他媒体では初動でCPCが高く出てしまい、安定するまでに時間がかかる事が多いのですが、SmartNews Adsは2~3日で安定するのが早い点でした。
勝又氏:同時に、「より幅広い層にアプローチしたい」「新しい切り口での提案がほしい」といった、さらなる展開へのご要望もクライアントからいただいており、そこが私たちの次のチャレンジポイントだと捉えています。
ーー特に効果の高い業種はありますか?
勝又氏:特に自動車関連と家電クライアントのブランド訴求したいお客さまからは非常に好感触をいただいています。誘導効果を評価いただいており、そこから派生して「こういう層にもアプローチできないか」といった追加の相談をいただくことが増えているんです。
ーー:SNS広告と比較した際の具体的な数値はいかがですか?
加藤氏:サイト誘導目的での配信では、SNS広告と比較して80%以上の単価削減を達成できるケースもあります。最近の事例では、金融系のクレジットカードのお客さまで、既存のSNS広告と比較してSmartNews Adsのほうがさらに20%程度単価改善できているということでご継続いただいています。
ライフスタイル横断戦略で効果拡大。「気がきく」「やすらぎ」見出しがニュース風で刺さる

ーーそうした成果を生み出すために、運用面ではどのような工夫をされたのでしょうか?
勝又氏:同じ商材でのデータ配信でも、一定の効果が出ています。新しい切り口として、訴求商材と近しいライフスタイル属性などを利用するケースが増えてきています。 「ライフスタイル変化のタイミングでは、複数の商品を同時に検討している」という仮説のもと、引っ越しカテゴリーやベビー・キッズ系を検討している人へ横展開してみると、ライフスタイル横断型のターゲティングで成果を継続的に実現しました。

加藤氏:また、最近活用している新機能で、広告を見た人がSmartNews内でどんな記事を見ているかが分析できるようになりましたよね。
そのおかげで例えば、家電メーカーのブランディング施策では、環境配慮に関する記事を見た人が動物の記事をよく見ていることがわかり、「環境意識の高いユーザー」という新たなペルソナ発見につながりました。
ーー運用面だけでなく、クリエイティブでも工夫があったのでしょうか?
勝又氏:クリエイティブ面では、見出しの改善が大きな効果を発揮しました。弊社内でのCTRが高い見出し事例を分析すると、比較的ニュース記事っぽいもの、見出しが短くシンプルなものが効果的だと考えています。
具体的には、「○○の気がきくポイントとは?」のような疑問形で商品の特徴を訴求するパターンや、「自転車でのお出かけが、やすらぎに。私のちょっとした気分転換」のようなライフスタイルに寄り添った表現、「キッチンに溶け込む、スタイリッシュデザイン」といったデザイン性を前面に出したシンプルな訴求などが、ニュース風の見出しとして効果を発揮しています。
ーー御社の強みであるグループ各社のデータ活用についてはいかがですか?
勝又氏:常に検討しながら進めています。価格.comのデータだけでなく、グループ内の他メディアのデータも活用することもありますね。 例えば、「スマイティ」という不動産住宅情報サイトのデータを家電クライアントで使ったり、「キナリノ」というライフスタイルメディアのデータをドライヤー系商材で活用するなど、複合的なデータ活用を行うことで新たな効果を見いだせることも多く、興味深く感じています。
カカクコムならではのデータアセットを活用してブランド領域への展開も
ーー現在の成果を踏まえて、今後SmartNews Adsに求める機能などはありますか?
勝又氏:現在は手動アップロードでのデータ更新を行っていますが、API連携が実現すれば、よりフレッシュなデータでリアルタイム配信ができるので、そこに大きな期待を寄せています。
また、来店施策についても、価格.comの特性上、家電量販店での購入がメインとなるお客さまが多いので、来店計測機能が実装されれば、より最終的なコンバージョン測定が可能になるのではないかと考えています。

ーービジネス戦略としては、どのような方向性を描いていらっしゃるのでしょうか?
勝又氏:今後は、ブランディングなどの認知施策にも注目しております。現在はサイト誘導やトラフィック重視のお客さまが中心ですが、ブランディング施策に力を入れていらっしゃる企業も増えています。
ーー最終的には、どのような事業ポジションを目指していらっしゃるのでしょうか?
勝又氏:今後は代理店さんと同等のサービス提供を目指していくなかで、さらに私たちならではのデータアセットを活かした提案価値を高めていきたいですね。
カカクコムが実践したSmartNews Adsで成果を出すための3つの戦略ポイント
今回の事例から見えてきた、SmartNews Adsで高い広告効果を生み出すための戦略ポイントは以下の3つです。
1. 逆転の発想で、ライフスタイルを横断するデータ活用戦略
商品カテゴリーの固定観念を捨て、ユーザーのライフスタイル変化を軸にしたターゲティング設計が効果向上のカギ。引っ越し・ベビー・キッズなど生活変化の文脈でターゲティングを構築。従来のセオリーでは発見できない効果の高いオーディエンスを見つけ出すことができる。
2. ニュース風クリエイティブでの効果最大化
SNS広告との差別化を図り、ニュースアプリに適したクリエイティブ設計で効果改善を実現。「○○の気がきくポイントとは?」といった疑問形訴求や、「やすらぎに」などライフスタイルに寄り添った表現、「スタイリッシュデザイン」といったシンプルな訴求で、ニュース風の見出しとして媒体特性を活かした訴求を実現している。
3. グループアセット横断活用による提案力強化
価格.com以外のメディアデータも含めた複合的なデータ活用により、クライアントへの提案の幅を拡大。不動産サイトのデータを家電案件で活用したり、女性向けメディアのデータを美容家電で活用するなど、グループないの多様なメディアアセットを戦略的に組み合わせることで、競合優位性を確立できる。